2024年5月17日 石丸安芸高田市長 都知事選立候補表明 記者会見内容
安芸高田市の石丸市長が、5月17日の記者会見で都知事選への立候補を表明しました。YouTubeにすべて公開されており、メモしながら聞きました。まずは、以下に質疑などを箇条書きします。
石丸さんに敬意を表し、多少は文言省略しますが原則すべての発言を忠実に記載します。
ぜひ、皆さんにも1時間超のYouTubeを頑張って見て頂きたいです。東京・地方・日本がどうあるべきか一石を投じてくれていますので、一人一人考える機会にしてもらえればと思いました。
冒頭説明
・都知事選への立候補表明。
・地方の衰退を止めることが目的。
・消滅可能性都市として、広島県では23自治体のうち6自治体が入っており、安芸高田市は2回連続で入っている。(2010年国勢調査および2020年国勢調査をもとにしたレポートより)
・人口動態を見て、地方そして国家への危機感がある。着実に日本は弱っている。
・一番大きな力を持つ東京都から動かしたい。
・中長期的な話として、多極分散を実現していく。
・本当に弱る前に、受け身をとれるようにする。
・東京都を超え、道府県と連携していく。弱いものが集まっても、勝てない。地方とともに日本の課題を解決していく。
・この対応で、東京の課題も同時に解決していける。
・小池東京都知事は「7つのゼロ」を掲げているが、すべてが対症療法。構造的な課題がそこにあるので、そこに手を打つ必要がある。
・東京の過密を解消して、「住みやすいまち」を実現する。安芸高田市では、「世界一住みたいまち」を標ぼうしてきた。
・「アウフヘーベン」東京の発展、地方の発展が日本の発展となる。日本の崩壊は地方から始まる。一刻も早く手を打ちたい。「増田レポート」で警鐘を鳴らされてから10年経つが、まだ間に合う。
記者との質疑
・(NHK)市長辞職のタイミング、政党からの支援についてどう考えているか?
→(石丸市長)政党からの支援は受けない。国政の代理戦争をしている場合ではない。あえて政党からは距離を置く。
選挙で手伝ってもらえる人を募集していく。特定の勢力が近くにあると、政策がブレる。理想は、草の根。
少子化の背景は複雑。東京に若者が集中しており、リバランスが必要。
例えば、安芸高田市と東京で、社会増減がなければ安芸高田市のほうが状況はマシ。社会減によって、安芸高田市の人口は特に減っている。
マクロで考えている。出生率は田舎のほうが高い。地方は、子育て環境の整備に全振りしている。
・(読売)公約はどうなるか?
→(石丸市長)公約は告示に向けて固めていく。「政治再建」「都市開発」「産業創出」が三本柱。
現在の都知事、都政に大きな問題があるとは思っていない。
議事録を1年分ほど見ているが、さすが東京。局長レベルと議会との答弁も、嚙み合っている。議員の質問も非常に多岐にわたる。
安芸高田市の今後(辞職後など)については、残される職員と調整する。市職員は、頼もしくなっている。
・(朝日)いつ頃から都知事選を考えていたか?
→(石丸市長)4年前から。安芸高田市長より、都知事選を先に考えていたが、本気度は低かった。政治への問題意識があった。
(朝日)この一週間で何が変わったか?
→(石丸市長)時間の経過。
(朝日)都政をどう評価しているか?小池知事よりもいい政治ができると思うからこそ出馬を決意されたはず。
→(石丸市長)都民ファーストは大事なことだが、東京は大都市なのでそれ以外のことも考えなければならない。
安芸高田市長を1期で辞職・退任することについては、もともと議会で問責決議も出されていたので、すんなり行くだろう。
・(中国新聞)省略。安芸高田市長から質問状への回答がないと逆質問され、それに対して回答がないため退席を求められ、カメラ含めて退席。(石丸市長)お疲れ様でした!。
・(朝日からの質問に対し)
→(石丸市長)多極分散につながる枠組みづくりをしていきたい。小手先の政策では足りない。大きな枠組みが必要。福岡市はまちとして発展して人口も増え続けている。こういったまちが全国に展開されることが必要。
・(毎日)政治のエンタメ化を進めてきたが、今回の選挙では選挙プランナーに関してどう考えているか?
→(石丸市長)これまでの選挙はしないほうが良いのではないか。つまらなくなってしまう。
政治のエンタメ化は、茶化すだけのものではない。政治・エンタメは本来「もてなす」べきもの。それがない。向き合うサマを見てもらいたい。
YouTube、SNSを借りて支持を得るのは基本戦略。
・(広島ホームテレビ)政党の公認などは得ないのか?
→(石丸市長)公認、推薦は求めない。公認・推薦は「推し」の扱いになるので、求めない。ただし。支持は求めていきたい。いくつか非公式に考え方の説明・相談はしている。
東京と地方の発展で方向性が合うならば、支持を求めていきたい。ただし、自分から求めにはいかない。
いま必要なこととして、日本の衰退を止めたい。
二元代表性なので、国と自治体は相反する。自治体の立場で、国と対峙していく。
・(質問)安芸高田市民からは、もう一期やって欲しかった、安芸高田市を何とかして欲しかったという市民の意見も多かったが、それについての感想は?
→(石丸市長)都知事になっても、それをやります。
・(東京新聞)小池都知事(出馬は未表明だが)や野党候補など強敵がいる中での勝算は?
→(石丸市長)出たとこ勝負でいくと思う。選択肢を提示し、都民が選ぶのみ。
プランとしては、情報の扱いを重要視しており、マスメディアやインターネットメディアをうまく使っていきたい。そのうえで、投票率を爆上げしましょう!
・(質問)国政へのステップアップでは?
→(石丸市長)違います!まったく考えていません。
・(質問)小池都知事と話をしたことはあるか?
→(石丸市長)ない。ただ、他の首長とはこのような話をしたことはある。皆さん。同じ問題意識を持っている。
・(ヒロスポ)サンフレッチェ広島が新スタジアムでホームゲーム開催をはじめたが、スポーツ関連で自由に発言してほしい。
→(石丸市長)サンフレッチェ広島は、安芸高田がマザータウンである。サッカーは日本として大事にしたほうがよい。日本はW杯優勝すると信じている。みんなで力を合わせましょう。
・(NHK)安芸高田市長の後継は?
→(石丸市長)前回の記者会見で説明しています。厳重注意です!ただ、全国に発信されるということで申し上げると、いまは思うところはないです。
・(石丸市長自身で)なぜネクタイが紫か?について質問がなかったので答えると、もともとは緑が好きだが、丸被りなので、赤と青を足した色ということで紫を選んだ。右でも左でもなく、両方ある、ということ。
市民から、ディスリのコメントもあるが、関心がないよりは100倍マシ。
百田尚樹さんの本は好きだが、だからと言って保守にはならない。
感想
震えました。まず、1時間超にわたるこの会見を、カンペなしですべて自分の言葉で説明し、受けきっています。安芸高田市長のときからそうですが、カンペをもって説明するのを見たことがありませんし、住民への予算内容説明などでも、プレゼン資料を投影しながらご自身で感情もって説明しきっているのは以前からで、発信力の高さには驚きます。
地方の衰退、日本の衰退への危機感についても、私自身同様の問題意識を持っており、それを東京都知事で?と思っていたもののこの説明を聞いて、国政とは違った立場で東京から日本全体を、という想いも共感しました。
いまは以前と異なりまあまあ自由に行動できる身分なので、どのようなお手伝いができるか真剣に考え、7月7日の投開票に向けてボランティアなど行動含めて積極的に支援したいと思いました。
前職の絡みで、石丸市長に直接お会いしたこともあり、希望もトラブルもいろいろありましたが、今回の件は切に期待しています!
安芸高田市長 2期目不出馬会見
そして、これまで見ていなかった2024年5月10日の不出馬臨時会見も全編見ました。この機会に、こちらも箇条書きで記載します。都知事選立候補の文面と合わせてみると、さらに腹落ちすると思います
・安芸高田市の市長選には、出馬しないことを決めました。
・「おかたづけ」として、事業の抜本的な見直し。相当なバラマキの見直しを行った。そして、未来への投資に振り向けた。一般財源で小中学校の給食無償化を実現したのは、広島県ではここだけである。
・政治家はしばらく続けようと思っている。すべてのオプションはテーブルにのぼっている。
・真剣に冗談を言っている。政治をエンタメ化したい。
(質問)会見を本日やる意味は?
→(石丸市長)早めに進退を伝える必要があった。今後市長選に立候補される方々には、「意思と能力」を持っている方にぜひ立ってほしい。
副市長否決と無印良品の道の駅出店否決はあったが、かなりの政策は実行できた。町の命運をかけて職員と取り組んできた。
道の駅は、毎年2,700万円の赤字を垂れ流してきた。議会が通さなかったのであり、議会の責任である。
最大限市長職をまっとうしたい。ただし、任期いっぱいとは限らない。
(質問)YouTube戦略の評価は?
→(石丸市長)うまくいったな、と。首長はインフルエンサーになるべき。外需をいかに取り込むかが重要であり、インフルエンサーが必要。首長がなるのが手っ取り早い。
狙いすまして打った一撃がクリーンヒットした。ラッキーパンチではない。副作用は想定していた。
言論に批判するのは、権利である。しかし、人格批判してはいけない。
言論は、社会の利益を守るために許されている。
どこにいても安芸高田市の仕事をするつもりでいる。ただ、安芸高田市長を続けてもラチが開かない。
人口戦略会議のレポートでは重要な示唆があったが、なぜ1~2日で報道が終わってしまうのだろうか。一週間ぶち抜きでやってもいいくらいである。
2020年国勢調査を前提としたレポートであるが、未来への投資をこの3~4年で行ってきた。社会減に追い込まれてきており、ラチが開かない。違うアプローチが必要。
自分ひとりの力ではどうにもならないことになっていた。
(質問)今後の市議選への関わりは?(11月施行予定)
→(石丸市長)会派を作って応援、というのはあり得るかもしれない。
(質問)国政に進出?という噂もあるが、、、
→(石丸市長)この国を何とかしたい、という以上は総理大臣になりたいという想いを持つ人は多いと思う。ただ、今それは遠く、国政では政党が必要。
(質問)都知事選は?
→(石丸市長)都知事選は。前向きに検討している。「安芸高田のため」は、「日本のため」。
(質問)不出馬を決めたのは、いつか?
→(石丸市長)3月の定例会で、執行部の対応を見て、安心した。事務の抜本的的見直し、予算編成などは職員の手で作られた。心配だと手が離せないが、安心した。
自分に課せられた役割は「改革」。改善ではない。改革は1期でしっかりとやるべき。かなりの程度できたと考えている。
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